おすすめ本屋といえば、まずは「湘南T-SITE」さん。
2014年、ぽっかり空いていた松下冷機跡のかなり広い土地に、街の空気感を変えるような、最高に居心地の良い場所ができました。
自分にとっては、「コーヒーを飲みながら本を読める店」であり、「住民がイベントを行える場所」であり、「洗練されたセレクトの新しい情報を仕入れる場所」となっています。都内に行かないとできなかったことと、近所でしかできないこと、そのどちらともをより高いレベルで叶えてくれる場所です。
ふらっと立ち寄ると、数時間まったりということも少なくありません。もう、この地域には無くてはならない存在になっていると思います。
もう一件は、何年か前、鎌倉稲村ガ崎に長く住まう友人宅を訪ねたとき、ご両親からおすすめ頂いた「たらば書房」さん。とても素敵なご両親だったので、ぜひ行ってみようと思いたち訪れたところ、想像以上に自分の感覚にピタリとくるお店で、以来鎌倉に用事があるときは必ず寄るようになりました。
佇まいは、いわゆる皆さんの頭の中にある一般的な本屋さんと大きくハズレていないと思うのですが、中に入ると、どの棚にも魅力的な本がぎっしり詰まっています。ここに行くと、面白い本に出会えるかもという期待感が、一般的な本屋さんとはかけ離れている点です。当時20代だった若い二人の店主がオープンしてから40年という「たらば書房」さん。もしかすると、本をセレクトして販売するお店の先駆けともいえるのかもしれません。
最近はAmazonで本を買うことも多くなり、本屋さんに立ち寄る意味というのを考えたときに、品揃えや売り場の広さではなく、自分で探しても出会えない本に巡り会えるということが、自分にとってとても大切になってきていると感じます。たらば書房さんは、棚を見ているだけでも何だかワクワクするんですよね。
下記の本屋図鑑という本にも「たらば書房」さんが紹介されており、店長の川瀬由美子さんのこんなコメントが掲載されています。
“「自分たちの読みたい本を仕入れ」、「毎日来てくれるお客さんが飽きないように」棚を作っている。”
「自分たちの読みたい本」と「お客さんが飽きないように」という相反するような2つのフレーズが、心地よく並んで響きます。きっと、このお店の選書の良さは、自分たちの感覚だけではなく、お客さんの気持ちだけでもなく、両者の言い分をバランス良く、しかも自然に汲み取ってこられていることにあるのかなと思い至りました。
鎌倉に行かれることがあれば、ぜひ立ち寄ってみてください。きっと新しい発見がありますよ!