フォントの入門書なら、これを読んでおけば間違いないと言われる「フォントのふしぎ」。
欧文書体で120年の歴史を持つライノタイプ社(現モノタイプ社)のタイプディレクターである小林章さんが、身近にあるブランドロゴや商品ロゴが何というフォントで出来ているのかを、歴史や意図なども交えて紹介してくれます。
フォント名やフォントの形状を記憶の中にストックしておくことは、デザインを作成する上で、とても役に立ちます。
ただ、いかんせん、フォント集のようなものを購入して読んでも、なかなか頭に入ってこないんですよね。
この本は、誰もが知っているブランドを例にして、そのロゴに使用されているフォント名や起源、制作における意図などを教えてくれます。
そのフォントやブランドの背景を語ってくれるため、頭にスッと入って記憶にも残りやすいです。
例えば、ルイヴィトンはFUTURA(フツラ)を使用して王道感を表現しており、ゴディバはTRAJAN(トレイジャン)でトラヤヌス碑文に使われているフォントなど、フォント名とプラスαの情報をセットで覚えることができます。
また、知っているフォントでも意外に読み方が分からなかったりもするので、フリガナが振ってあるのも嬉しいポイントです。
これからフォントを学びたいという方や、フォントの形状を覚えてデザインに活かしたいという方には、一番最初に読んでおいて損のない本だと思います。