先日ご紹介した「そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか」に続き、山口揚平さんの本のご紹介です。
今日ご紹介する「新しい時代のお金の教科書」は、「お金とは一体何なのか?」、そして「これからどんな変化が起こるか?」を、ものすごくクリアに整理して教えてくれる本です。
筆者はお金の正体は「信用」だと説きます。
本来、誰かが自分のもの(例えばお魚)を欲しいと言ってきたとき、相手の持っている自分にとって価値があるもの(例えばお肉)と交換するというのが、自然ですし安心です。では、お金と交換するのは何ででしょうか?
お金は美味しくないですし、お腹を膨れさせてもくれません。
それでも、安心してお魚を差し出せるのは、お金には他の何かに交換できるという信用があるからです。
価値の交換を円滑に行うため、「信用」を形にして、物と交換できるようにしたものが、お金ということなのだと思います。
上記はこの本を読んで整理された、お金に対する自分なりの解釈ですが、原始のお金の在り方から、現在までの移り変わりを丁寧に追いながら、お金に関する本質的な理解を促してくれます。
また、最近話題のビットコインについても解説があります。
通常、お金は国が発行し価値を担保しています。つまり、信用の出どころ(母体)は国ですが、ビットコインはブロックチェーンという技術で個人の取引を世界中のコンピューターに記録することで、その価値を担保します。信用の母体が、国ではなく、ブロックチェーンによる個人の取引記録ということになります。
「儲かりそう!」とか「怖い」ではなく、一階層上から俯瞰してみることにより、ビットコインが自分の身の周りに起こすであろう変化がおぼろげながら見えてきた気がします。
ビットコインやブロックチェーンは決して他人事ではなく、お金を介する取り引きから、個人が自由に価値をやり取りする時代への、新しい変化なのだと思います。
その後、話は未来へと向かい、信用を軸に、世の中の変化を紐解いて行きます。
まだ自分の中で噛み砕けていないのですが、世の中は「お金」ではなく、その本質である「信用」そのものを大切にするようになること。
そして、その世界では信用がより可視化されるため、「価値を生み、与える人(GIVER)」になることが大切だという主旨の表現が印象に残りました。
後日、あらためて読み込んでみようと思います。
内容は濃くて深いのですが、平易な文章で書かれており、とてもスッと読める本なので、もしご興味がある方はぜひ手にとってみてください。