ネットショップを始めるとき、いまよく名前が上がるのがBASE、STORES、カラーミーショップ、Shopifyです。
以前このブログでもBASE・STORES・カラーミーの比較を書きましたが、当時の数字はもう使えません。BASEにはグロースプランができ、STORES.jpはSTORESになり、カラーミーの有料プランも変わりました。加えて、本格的に伸ばす前提ならShopifyが候補に入ることが増えました。
この記事は、2026年8月時点の公式情報をもとに、実際に検討するときのポイントだけを書き直したものです。料金は改定されるので、申込前は必ず各公式ページで確認してください。
いまの選び方(目安)
- まず無料で試す → BASE スタンダードかSTORES フリー
- HTML/CSSで見た目を作りたい → BASEかカラーミー(STORESは不可)
- 実店舗のレジ・予約もまとめたい → STORES スタンダード
- これから本格的に伸ばす・海外や多チャネルも視野 → Shopify
- 売上が伸びて手数料を下げたい → 各サービスの有料プランを数字で比較
「月額0円=安い」ではありません。売れたあとの手数料と、月額を払う価値の方が本題です。
4サービスのいまの位置づけ
ざっくり言うと、役割はこう分かれています。
- BASE:売れるまで月額0円。決済はそのまま使える。売上が増えたらグロースプランで手数料を下げる。
- STORES:同じく月額0円から始められる。テンプレート中心で簡単。有料プランにすると手数料が下がり、実店舗向け機能もまとめて使える。
- カラーミーショップ:無料プランもあるが、本格運用は月額のある有料プランが前提。販売手数料は0円で、決済は代行会社と別契約。
- Shopify:最初から月額がある。その代わり、決済手数料は比較的低く、テーマ・アプリ・海外販売などの拡張が広い。最初から「伸ばす前提」のカート。
昔の整理(「STORESがいちばん簡単、カラーミーがいちばん権限が多い、BASEはその間」)は、いまも大きくは外れません。Shopifyは、その3つより一段上の本格運用枠に置くと分かりやすいです。
比較表(2026年8月時点)
「まず始めるとき」の目安です。BASE・STORES・カラーミーは無料プラン、ShopifyはBasic(年払い)です。
| 項目 | BASE (スタンダード) |
STORES (フリー) |
カラーミー (フリー) |
Shopify (Basic・年払い) |
|---|---|---|---|---|
| 初期・月額 | 0円 | 0円 | 0円 | 月額 3,650円 (月払いは4,850円) |
| 売れたときの手数料(カード目安) | 決済 3.6%+40円 +サービス利用料 3% |
5.5% | 6.6%+30円〜 | Shopifyペイメント 3.55% |
| カード決済の申込 | 最初から使える | 最初から使える | 決済代行の契約が別途必要 | Shopifyペイメントの有効化が必要 |
| 独自ドメイン | 自分で取得して設定 (サブドメイン形式) |
フリーでは不可 (スタンダードで利用可) |
設定可 (常時SSLは条件あり) |
自分で取得/Shopify内購入も可 (ルートドメイン可) |
| HTML / CSS | HTML編集 App で可能 | 不可 | 可能 | テーマ+Liquidで可能 |
| 通常の入金 | 申請から10営業日 | 月末締め・翌月末 | 決済代行の規定による (フリーは翌月末が目安) |
毎週または毎月 (Shopifyペイメント) |
PayPay・Amazon Pay・PayPalなどは、BASE・STORESとも料率が上がります。カラーミーの手数料は「カラーミーペイメント」利用時の公式表記です。Shopifyは外部決済を使うと、別途取引手数料(Basicは2.0%など)が加算されます。
① コスト:月額0円のあとに何が引かれるか
いまの料金の骨格
BASE(公式料金)
- スタンダード:月額0円。決済手数料 3.6%+40円 + サービス利用料 3%。PayPay / Amazon Pay / PayPal は決済手数料に1%加算。
- グロース:年払いなら月あたり 16,580円(税込)、月払い 19,980円。決済手数料 2.9%、サービス利用料 0円。上記3決済は 3.9%。
- 振込申請ごと:振込手数料 一律250円。申請額が2万円未満なら事務手数料 500円、2万円以上なら0円。
STORES(公式料金)
- フリー:月額0円。カード・コンビニ・銀行振込は 5.5%。PayPal、ペイディ、atone、楽天ペイ、PayPay残高、Amazon Pay、キャリア決済は 6.5%。
- スタンダード:年契約で月額 3,300円(税込)、月契約 3,960円。上記はそれぞれ 3.6% / 4.6%。ネットショップ以外のレジ・予約などもこのプランに含まれる。
- 通常入金(翌月末)に、公式料金ページ上の追加振込手数料の記載はありません。急ぎ入金の「スピードキャッシュ」だけ、275円+1.5%(スタンダード)/3.5%(フリー)が別途。
カラーミーショップ(公式プラン)
- カート自体の販売手数料は0円。
- フリー:初期・月額0円。決済手数料 6.6%+30円〜。
- レギュラー:初期 3,300円、月額 4,950円(税込)。カードはカラーミーペイメントで 3.4%〜。
- ラージ 9,595円(3.19%〜)、プレミアム 35,640円〜(2.99%〜)。決済は代行会社との契約が別途必要。
Shopify(公式料金)
- Basic:年払い 月額 3,650円、月払い 4,850円。Shopifyペイメントの国内カード目安 3.55%。
- Grow:年払い 10,100円、月払い 13,500円。カード目安 3.4%。
- Advanced:年払い 44,000円、月払い 58,500円。カード目安 3.25%。Plusはさらに上。
- Shopifyペイメント以外の外部決済を使うと、決済代行手数料に加え、Shopifyへの取引手数料(Basic 2.0% / Grow 1.0% / Advanced 0.6%など)が加算されます。
- 公式は、3日間の無料トライアル後に一定期間の低額利用キャンペーンを案内することがあります(内容は時期により変わります)。
考え方
小さく始めるなら、BASE・STORES・カラーミーは月額0円で始められる。Shopifyだけは、始める時点で月額が前提。
カードで売る場合、BASE スタンダードは実質 6.6%+40円。STORES フリーの 5.5% より高くなりやすい。
Shopify Basicは手数料 3.55%と低いが、月額3,650円が先に乗る。売上が小さいうちは、無料系より総額が高くなりやすい。
売上が伸びたら、STORES スタンダード(3.6%+月額3,300円)、カラーミー レギュラー(3.4%+月額4,950円)、Shopify Basic(3.55%+月額3,650円)、BASE グロース(2.9%+月額約1.7万円)を並べて見る。
BASE公式は、グロースが有利になる目安を月商50万円超としています。
カード決済だけのシミュレーション(目安)
仮定は次のとおりです。実際は注文件数(BASEの+40円)、送料の扱い、振込回数、Shopifyの年払い/月払いで変わります。
- 月の売上がカード決済のみ
- BASEはスタンダード、振込は月1回
- STORESはフリー(5.5%)、通常入金
- カラーミーはフリー(6.6%+30円)とレギュラー(月額4,950円+3.4%)
- ShopifyはBasic年払い(月額3,650円+3.55%)、Shopifyペイメントのみ
| 月商 | BASE スタンダード |
STORES フリー |
カラーミー フリー |
カラーミー レギュラー |
Shopify Basic |
|---|---|---|---|---|---|
| 1万円 | 1,450円 (700+振込750) |
550円 | 690円 | 5,290円 | 4,005円 (3,650+355) |
| 2万円 | 1,610円 (1,360+振込250) |
1,100円 | 1,350円 | 5,630円 | 4,360円 (3,650+710) |
| 10万円 | 6,890円 (6,640+振込250) |
5,500円 | 6,630円 | 8,350円 | 7,200円 (3,650+3,550) |
| 30万円 | 20,050円 (19,800+振込250) |
16,500円 | 19,830円 | 15,150円 | 14,300円 (3,650+10,650) |
月商が小さいうちは、STORES フリーがいちばん費用が軽いことが多いです。Shopifyは手数料が低い代わりに月額が乗るので、売上がまだ読めない段階では高く感じやすいです。
目安として、STORES フリー(5.5%)とShopify Basic(3.55%+月額3,650円)の逆転は、手数料差約1.95%で月額を割ると月商およそ19万円前後。これより上で、かつアプリやデザインの拡張が必要なら、Shopifyの総額が現実的になってきます。
STORES フリーとスタンダード(3.6%+月額3,300円)の逆転目安は月商およそ17万円です。カラーミー レギュラーは月額が重いので、売上が安定してから検討する方が現実的です。
② カード決済:最初から使えるかどうか
BASEとSTORESは、開設した時点でクレジットカードなどの決済が使えます。審査や代行会社の申込を自分で走らせる必要はありません。
Shopifyは、Shopifyペイメントを有効化すればカード決済を導入できます。外部の決済代行と別契約する必要は基本ありません。ただし有効化と口座設定は必要で、BASE/STORESの「開いた瞬間から売れる」感よりは一段手順があります。
カラーミーは、カートと決済が分かれています。公式も「決済サービスの利用には別途決済代行会社との契約が必要」と書いています。推奨のカラーミーペイメントでも、契約と設定の手間は残ります。
店舗指定口座への銀行振込だけなら、カラーミーでも決済代行なしで始められます。ただし今の買い物ではカードを求める人が多いので、「カードなしで様子を見る」は以前より選びにくいです。
③ 独自ドメイン:誰の名義で持つか
BASEは、自分で取得したドメインを「独自ドメイン App」で設定します。対応はサブドメイン形式(例:shop.example.com)で、ルート(example.com そのもの)やサブディレクトリには対応していません。
STORESの独自ドメインはスタンダードプランの機能です。フリーでは *.stores.jp のサブドメインになります。サービス内で取得できるので設定は楽ですが、他サービスへ持っていく前提では向きません。
カラーミーはフリーでも独自ドメイン設定自体は可能です。ただし独自ドメイン利用時の常時SSLは、フリーだと月額課金になる、という案内があります。レギュラー以上の方が扱いやすいです。
Shopifyは、自分で取得したドメインを接続できるほか、管理画面から購入もできます。ルートドメイン(example.com)も使えるので、ブランドサイトとして育てやすいです。初期状態の *.myshopify.com は仮の住所、本番は独自ドメイン、という運用が一般的です。
昔のSTORESは「プレミアム月額980円でドメイン取得」でしたが、いまは月額3,300円のスタンダードに機能がまとまった、と考えた方が近いです。
④ 入金サイクル:急ぎたいときの料金も変わった
- BASE:通常は振込申請から10営業日。急ぎは「お急ぎ振込」(申請額の1.5%)、「最速振込」(申請額の3%、最短当日・条件あり)。月額980円の旧オプションではありません。
- STORES:通常は月末締めの翌月末。スピードキャッシュで最短翌日(275円+手数料)。
- カラーミー:店舗口座への銀行振込なら、購入者の入金日に近い。カードなどは代行会社次第。フリーのカラーミーペイメントは月末締め・翌月末が目安、レギュラーは翌々月20日払いなどの案内があります。
- Shopify(Shopifyペイメント):日本では毎週または毎月から選べます。追加の急ぎ振込オプションを前提にしなくても、週次なら資金繰りは比較的見やすいです。
BASEとSTORESは売上をいったん預ける形なので、購入者が銀行振込を選んでも、手元に来るのは後日です。資金繰りがきつい月は、入金の早さより先に「振込手数料を何回払うか」を見た方がよいです。BASEは2万円以上にまとめて申請すると、事務手数料500円を避けられます。
⑤ デザイン:コードを触るかどうか
STORESは HTML / CSS を直接編集できません。無料テンプレート(公式案内で48種)とデザインエディタが中心です。専門知識なしで整えやすい一方、完全オリジナルは向きません。
BASEはテーマと Apps で見た目を変えられます。HTML / CSS まで触るなら「HTML編集 App」が必要です。無料のオフィシャルテーマはパーツ編集が中心で、コード編集はカスタムテーマや対象テーマ側、という整理です。
カラーミーはテンプレートが豊富で、HTML / CSS 編集も公式比較表に載っています。制作会社が入る案件では、いまも候補になりやすいです。
Shopifyは、テーマエディターに加えて、テーマ言語のLiquidでかなり細かく作れます。無料テーマから始められますが、本格的なオリジナルは制作コストが乗りやすい。代わりにアプリの選択肢が広く、「機能を追加しながら育てる」向きです。
迷ったときの選び方
1問ずつ
まずは無料で、カード決済つきで試したい → BASE か STORES フリー
同じ条件なら手数料を抑えたい → いまは STORES フリー(5.5%) の方が軽いことが多い
サイトのHTMLまで作り込みたい → BASE か カラーミー
ネットショップと実店舗の決済・予約をまとめたい → STORES スタンダード
これから本格的に伸ばす、アプリや海外販売も視野 → Shopify
月商が安定し、月額を払ってでも料率を下げたい → カラーミー レギュラー、STORES スタンダード、Shopify Basic、BASE グロースを数字で比較
まとめ
BASE・STORES・カラーミーは「無料で始められる」時代です。Shopifyは最初から月額がある代わりに、手数料と拡張性で本格運用向きです。差は、売れたあとの手数料・入金・デザインの権限・どこまで育てるかに出ます。
- 小さく売るなら、STORES フリーか BASE スタンダード。
- 見た目をコードで作るなら、BASE か カラーミー。さらに拡張するなら Shopify。
- 実店舗とまとめる、または月商十数万円を超えて手数料を下げるなら、STORES スタンダード。
- カラーミーの有料プランは、昔の月額900円台ではなく、レギュラーで月額4,950円です。本格運用の選択肢、という位置づけです。
- Shopifyは月額3,650円(Basic・年払い)から。売上が読めない段階より、伸ばす前提が固まったあとの方が向きます。
販売したいもの、想定売上、これからサイトをどこまで育てるか。その3つに、権限と手数料のバランスを合わせて選ぶのがいちばん早いです。