「マイパブリックとグランドレベル」田中元子

2018.03.24

マイパブリックとは、「自家製の公共のこと」。
グランドレベルとは、「地面のこと」。

と言っても、さっぱり意味がわからないとは思うのですが、「マイパブリックとグランドレベル」、読むとすっきり分かります。

著者はデザインや建築などの専門分野と一般の人をつなぐ、建築コミュニケーター・ライターの田中元子さん。
どんどんアイディアが湧いてきて、それを実行してしまう、かなり面白い人です。

自分の事務所にバーカウンターを作るところから物語は始まります。

IKEAで作業台を買ってきて、何とかバーカウンターのようなものを作り上げたところ、お客さんを呼びたくなります。
事務所なので営業することはできないため、無料でお酒を振る舞うことにしたところ、それが、とても楽しい。
何か見返りを求めるのではなく、何と無料で振る舞うことの楽しさに目ざめてしまうのです。

そこから、無料でコーヒーを入れる屋台をスタートします。
街に出没し、道行く人にコーヒーを淹れる。
そうすると、周りの人も喜ぶし、自分も楽しい。

他者が自然に入り込める場所を、自分で作ること。
それがマイパブリックです。

自分は曲りなりにも商売をしているので、対価を得るということにも目線が行くのですが、そうではなく振る舞うということ自体に楽しさがあるということに、とても関心が向きました。
自分が誰かのために行動を起こしつつ、自分も充足される状態って、やっぱり理想的だなと思います。

そして、著者の楽しそうな物語を読んでいると、「振る舞う」って、きっと楽しいんだろうなって素直に思えるんですよね。
いつか、マイパブリック、実践してみたいなと思います。


「本棚の本」赤澤かおり

2018.03.22

この本は、鎌倉のお気に入りの本やである「たらば書房」さんで見つけ、ちょっとした運命みたいなものを感じて買った本です。

「その人自身のことが、また一つわかったような、本の並びを見て、うんうんとうなずいてしまうような、そんな感じ」

と帯に書いてあるように、自分も本棚にはその人自身のことが色濃く表現されているような、そんな気がします。

自分の本棚を見ると、うーんとなってしまうのですが、本を買うときは、意識するにせよしないにせよ、その時の自分に必要なものを選んでいるような気がしますし、また捨てるときもどうしても残しておきたい本を選び出すわけなので、結果かなり自分の考えや生き方がどうしても反映されてきてしまうような気がするのです。

筆者の赤澤さんの帯の言葉には、うんうんと思わずうなずいてしまうところがあります。

「このひとの本棚を見てみたい」という思いから、赤澤さんの本作りがスタートする訳なのですが、そのメンバーも魅力的です。

鎌倉で手仕事の生地とオーダーの洋服のお店「Fabric Camp」を営む田中千夏さん。
葉山にあった美術作家の永井宏さんのギャラリー「サンライトギャラリー」に立ち上げから参加していたそう。
この「サンライトギャラリー」は、鎌倉で「cafe vivement dimanche(カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ)」をはじめる20代の堀内隆志さんや、まだ10代後半だった根本きこさんなども参加していた、ギャラリーで現在の湘南のカルチャーの源流にある、ものをつくる人をたくさん輩出したギャラリーです。

他にも鎌倉のピッツェリアとクラフトビールのお店「ブルームルーム」の店長田中耕太朗さんや、エディトリアルデザイナーの茂木隆行さん。
何だかその人を知るだけでも得した気分になれるのに、さらに本棚まで見せてもらえて二度美味しい感じなのです。

そして、自分の尊敬する編集者でライターの富山英輔さんの名前も。
片岡義男さんの「波乗りの島」、Peter Beard「Diary」などなど、ちょっと読んでみたくなりますよね。

そんな感じで、面白い人を知ることができる+読みたい本が見つかるという、一石二鳥の本です。


「漫画 君たちはどう生きるか」吉野源三郎

2018.03.06

今、大人たちの間で、もの凄く流行っているという「漫画 君たちはどう生きるか」。

すでに200万部を超えて、異例の大ヒットとなっているとのこと。

近くのファミリーマートでも売っており、主人公であるコペルくんという中学生がまっすぐにこちらを見つめる表紙に引き込まれ、ついつい手にとってしまいました。

「君たちはどう生きるか」はコペルくんと呼ばれる15才の少年が、いじめや身近な貧困、差別、偏見、友情などに思い悩みつつも、的確なアドバイスをくれるおじさんに支えられながら、成長していく過程を描く小説です。

もう僕は、「君たちはどう生きるか」って聞かれても、苦笑いしながらはぐらかしてしまいそうなくらい、何となく長いこと生きてきてしまったような気がします。

正直、ちょっと青臭いと思ってしまうところもなくはありません。

ただ、この本が売れる理由は、「ホントにそれでいいのか?」と問い直してくれる誰かの存在を、皆どこかで求めているからかもしれないと感じました。

コペルくんは、この小説の中で、苦しみ続けます。いじめを止められないとき、貧困の中にいる友人をみるとき、大切な友人を裏切ってしまうとき。

大人になると、少しずるくなり、苦しみを上手く緩和する方法を覚えてしまいますが、この本を読むと喉元にナイフを突きつけられているような逃げ場のない気分になります。

それは僕らもいつか直面した問題であり、結局、今だに答えの出ない問題だからなのかもしれません。

コペルくんと一緒になって苦しみ、考え、一歩踏み出す。

そうすることで、心の中に少し芯のようなものが生れてくる。

大人がこの本を求める理由は、そんなところにあるのかもしれないと思います。


「サーファー・真木蔵人」富山英輔

2018.02.21

今日は「サーファー・真木蔵人」富山英輔著をご紹介します。

実は数日前、偶然BOOKOFFで見つけ、20年ぶりに手に取りました。
改めて、この本は間違いなく傑作です。

20年前、近くにあった文教堂でこの本と出会い、1ページ1ページ、ドキドキしながら読み進めたのを、昨日のことのように思い出します。
サーフィンを始めたばかりだった自分は、真木蔵人さんを通して、その向こう側に広がっているサーファーたちの世界に胸を高鳴らせました。

真木蔵人さんを初めて知ったのは、高校生の時に観た北野武監督の名作「あの夏、いちばん静かな海。」だったと思います。
僕の持っていた「サーフィン」そのもののイメージを根底から覆すような、静謐で美しい物語でした。

今思えば、理屈っぽく、やや斜に構えたところのある僕が、素直にサーフィンに憧れてこれているのは、この映画があったからなのかもしれません。
この映画での真木さんは、聾唖の真面目でひたむきな青年の役を演じているのですが、「こういう風になりたい」と思うくらいに憧れました(笑)。

そして、曲りなりにもサーフィン始めた自分は、何とかアップス(サーフィンの基礎)ができるようになった頃、この本と出会います。
まだまだサーフィンの「サ」の字が少しだけ分かるようになったころに、真木さんの生きる世界を追体験することで、さらにサーフィンへの憧れは強まりました。

著者の富山英輔さんもまた僕の憧れの人です。「NALU」や「SURF MAGAZINE」といったサーフィン誌の編集長を歴任し、サーフィンの持つ奥深い魅力の本質を、鋭くも透明感のある描写で誌面に再現してくれます。
冨山さんの文章が、今日のサーフィンを形作ってきたと言っても言い過ぎではないと思います。少なくても、僕にとってはそうです。

この2人が作り上げた物語が面白くない訳がありません。
結局、僕は富山英輔さんと真木蔵人さんという2人のサーファーの背中を、はるかはるか遠くに見ながら、これからも追い続けていくのだと思います。


目標を立てるときに参考になる本「ザ・コーチ 最高の自分に出会える『目標の達人ノート』」

2018.02.12

例年、特に目標を立てることなく、ダラダラと一年を過ごしがちな自分なのですが、今年こそは目標を立てて生活してみようと思っています。

ところが、いざ目標を立てようとしたところ、自分の場合、あまりにも目標を立てていなかったためか、「目標の立て方」自体が良くわからなくなっていました。
そこで、まずは「目標の立て方」を学ぼうと思って手にした本が、「ザ・コーチ 最高の自分に出会える『目標の達人ノート』」です。

この本は、星野さんという悩み多きサラリーマンが、大蔵さんという大会社の社長と出会い、さまざまななやり取りを通して、目標の達人になっていくという物語です。
ストーリー仕立てになっているので、とても読みやすく、主人公と同じ目線で、段階的に「目標の立て方」を学んでいくことができます。

自分にとって参考になった部分を少しまとめてみたいと思います。

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【目標とは何か?】
・まず、「目的」、「ゴール」、「目標」の意味を定義し直すことが必要。
・「目的」は実現したいこと、「ゴール」は目的のための最終的な目印、「目標」はゴールまでの途中の目印。
・例えば、オリンピックで例えると、「自分が可能性に挑戦することで、子どもたちに夢を持つことの素晴らしさを教える」が「目的」、、「次のオリンピックで金メダルを獲得する」が「ゴール」、「10キロのタイムを3分短縮する」が「目標」にあたる。

【目標の立て方】
・叶えたい「ゴール」を見つける。
・「ゴール」に向かうときの、いきがいややりがいにつながる理由・動機を「目的」として設定する。
・例えば、「ゴール」が「営業課長になる」だとすれば、目的は「家族が豊かに暮らせる家を持つため」や、「人を育て一緒に目標を達成して喜ぶ」となる。
・そして、「営業課長になる」ための通過点、例えば「宅建試験に合格する」を「目標」として設定する。

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いかがでしょうか。

本来はストーリー仕立てで、ゆっくりと噛み砕いて説明されている部分のため、まとめて箇条書きにすると分かりづらいと思いますが、自分にとっては「目的」、「ゴール」、「目標」という言葉を定義し直すことで、頭の中がすっきりと整理された気がします。また、「目的」というやりがいや生きがいにつながるような理由を設定することで、「ゴール」や「目標」の価値がより輝きだすように感じました。

加えて、「目標を達成することではなく、目標を目指して行動する過程に意味がある」ということを繰り返し伝えていることが印象的でした。
筆者が物語の中で、「目標を設定するベネフィット」として挙げているのが、以下です。

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●その道のりで、多くの共感者や協力者と出会い、さらに大きなことを成せる
●精神的に強くなり、さらなる大きな決断の時に必要な勇気を手にする
●人間的に成長する
●人と人との絆が生まれ、人生の宝を得る
●人生が、ワクワク感やドキドキ感にあふれた、感情豊かで感動的なものになる
●知識が増える
●選択力が増す
●決断力が増す
●集中力が増して、パフォーマンスが高まる
●その道のりで、知識・能力・道具が増えて価値ある人になる
●失敗の体験から次の成功のための糧を手にする
●どん底にいる時、詩人になり、魅力的な人物になる
●可能性の扉が開き、想像もしなかった未来の自分に会える

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目標を立てても、守れないと途中でやる気がなくなってしまいがちなのですが、ここに挙げられているベネフィットを読むと、例え失敗したとしても、もう一度目標を立ててみようという気になってきますよね。
自分にとっては、「目標を立てること」の意味がぶれなくなり、目標の大切さを再認識できたことが、この本から得た一番の収穫といえるかもしれません。
今年の目標、改めて考え直してみたいと思います。


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